18歳選挙権(読み)じゅうはっさいせんきょけん

日本大百科全書(ニッポニカ)「18歳選挙権」の解説

18歳選挙権
じゅうはっさいせんきょけん

満20歳以上が行使できる日本国民の選挙権を満18歳以上とすること。また、その選挙権。2015年(平成27)6月、選挙に参加することのできる有権者の年齢を満20歳から満18歳に引き下げるとともに、選挙犯罪などに関する少年法などに特例を設けて成人同様に処罰することを内容とする、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立した。2016年6月19日施行。

 選挙権年齢の見直しは、1945年(昭和20)に満25歳以上から満20歳以上に引き下げられて以来のことである。年齢引下げの対象となる選挙は、(1)衆議院議員と参議院議員の選挙、(2)地方自治体における首長および議会議員の選挙、(3)漁業法に規定する海区漁業調整委員会の委員選挙、(4)農業委員会等に関する法律に規定する農業委員会委員の選挙、である。また、最高裁判所裁判官の国民審査、地方自治体の首長解職および議会解散請求に伴う住民投票においても、投票権をもつ資格年齢が18歳以上に改められた。これに伴い、18歳以上20歳未満の日本国民の選挙運動が認められるようになる一方、連座制の対象となる選挙犯罪の事件を犯した場合には、原則として20歳以上の成人と同様に、刑事裁判の対象として特別措置がとられる。

 なお、2014年6月に施行された改正国民投票法により、憲法改正に必要な国民投票の資格年齢は、満20歳以上から満18歳以上へと引き下げられたが、この際の付帯決議として、2年以内をめどに選挙権年齢の引下げに関する法制上の措置をとることが記されていたため、法改正につながった。また、付則には、選挙権の年齢引下げに準じて、民法における成人年齢や少年法が適用となる年齢などについても、引下げの検討を進め、必要な法制上の措置を講ずるものとする旨の内容が盛り込まれている。

 国立国会図書館の調査では、世界の190あまりの国と地域のうち、選挙権の対象の最少年齢を満18歳か、それ以下とする国は176か国である。オーストリアやアルゼンチンなどのように、満16歳以上としている国もある。また、被選挙権を含めて満18歳以上へと引き下げている国も少なくない。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini「18歳選挙権」の解説

18歳選挙権

満18歳以上の日本国民に与えられる選挙権。2015年2月現在、公職選挙法は満20歳以上の者に選挙権を与えているが、14年施行の改正国民投票法は、憲法改正の是非を問う国民投票の投票年齢を4年後に満20歳以上から満18歳以上へ引き下げる内容となっている。これを受け、共産、社民両党を除く与野党は同年、選挙権年齢を国民投票年齢と同じ満18歳以上に引き下げる公職選挙法改正案を臨時国会に提出した。この時は直後の衆院解散で廃案となったが、15年の通常国会に再提出され、成立する見通しとなっている。改正法は、早ければ16年夏の参議院選挙から適用される見通し。未成年者が有権者に加わることで、世代間格差の是正若年層の政治参加が促されると期待されている。

(2015-2-20)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

知恵蔵「18歳選挙権」の解説

18歳選挙権

選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が、2015年6月17日成立し、同19日の公布から1年間の周知期間を経て16年6月19日に施行される。18歳選挙権が初めて適用されるのは、16年夏の参議院議員選挙になる見通し。選挙権年齢の引き下げは、1945年に「25歳以上」から現行の「20歳以上」に変更されて以来、70年ぶりとなる。
今回の動きは、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の2014年改正の流れ上にある。改正国民投票法は、投票権者の年齢を当面20歳以上とした上で施行4年後に18歳以上に引き下げるとしており、選挙権年齢の引き下げについても速やかに法制上の措置を講ずると明記していた。
選挙権年齢を何歳とするかは各国の事情によって異なるが、諸外国では18歳以上が主流だ。先進国首脳会議に参加するG8のうち日本以外の7カ国など、世界の約9割の国・地域で選挙権年齢を18歳以上としていた。日本でも18歳選挙権を主張する意見は以前からあったが、民法の成人年齢や少年法との関係で反対意見も根強かった。改正法には、選挙権年齢の引き下げに伴い、民法や少年法などについても「検討を加え、必要な法制上の措置を講ずる」(第11条)ことが記された。

(原田英美 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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