化学辞典 第2版 「1H-トリアゾール」の解説
1H-トリアゾール
トリアゾール
1H-triazole
C2H3N3(69.07).N原子3個とC原子2個からなる複素五員環をいう.2種類の異性体が知られている.【Ⅰ】1,2,3-トリアゾール(1,2,3-triazole):アセチレンにアジ化水素を作用させると得られる.悪臭のある吸湿性の結晶.融点23 ℃,沸点203 ℃(98.5 kPa).1.1861.1.4854.pKa 1.17,9.4.一般の有機溶剤に可溶.水溶液に硝酸銀を加えると銀塩が沈殿する.水酸化ナトリウムと硝酸ジメチルでメチル化すると2-メチル誘導体を与える.【Ⅱ】1,2,4-トリアゾール(1,2,4-triazole):ヒドラジン塩酸塩をホルムアミドと蒸留するか,チオセミカルバジドとギ酸から合成する.無色の針状晶.融点120~121 ℃,沸点260 ℃(分解).pKa 2.2,10.水,エタノールに可溶,エーテルに微溶.イミドHは種々の金属と置換されて金属化合物をつくる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報