200年住宅(読み)200ねんじゅうたく/にひゃくねんじゅうたく

知恵蔵 「200年住宅」の解説

200年住宅

住宅の寿命を200年に引き延ばそうという議論が盛り上がっている。日本の住宅は平均すると約30年で建て替えが起こっており、欧米と比較すると極端に住宅の寿命が短くなっている。この建て替え期間を200年にすることを主な内容とした「200年住宅ビジョン」が2007年5月に自由民主党住宅土地調査会1(会長:福田康夫)から公表された。同年9月に福田内閣が誕生したこともあり、長期耐用住宅の認定制度、不動産取得税や固定資産税の軽減なども法制化が議論され始めている。国土交通省では08年度予算の重点的施策として、「超長期住宅先導的モデル事業の創設」「住宅の適切な維持管理・円滑な流通の確保等」「住宅の長寿命化・循環的利用を支える住宅金融の拡充」を掲げ、そのために100億円を超える額を計上している。民間のハウスメーカーでも長寿命住宅の開発に向けた取り組みを始めている。現時点では“200年”はシンボルだが、住宅を大切に長く使うことは地球環境への負荷の軽減にもつながり、今後も様々な議論が巻き起こっていくものと思われる。

(平井允 まちづくりプランナー / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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