日本大百科全書(ニッポニカ) 「3Cカタログ」の意味・わかりやすい解説
3Cカタログ
さんしーかたろぐ
天体電波源に関するもっとも代表的なカタログ。ケンブリッジ大学で発表された3番目のカタログということで3Cがついている。1962年に改訂がなされ、電波源の削除と追加が行われている。このカタログには、赤緯マイナス5度以北の天域に分布する電波源のうち周波数178メガヘルツで電波の強さ9ジャンスキー(ジャンスキー=宇宙(銀河)電波の強度単位)以上のもの328個がリストされており、北天にある有名な電波源のほとんどが含まれている。現在、5000個を超える電波源が載っているカタログだけでも10以上あり、その点3Cカタログは小さなカタログであるが、カタログに載っている電波源の光学同定や観測がもっとも詳しく進められており、電波源の統計的研究が盛んであったころは、研究に欠かせない重要なカタログであった。
なおこのカタログに含まれる天体割合は、銀河面に分布する電波源の場合など、光学天体との同定ができていないものもあるが、クエーサーが20%、銀河が75%、銀河内の電波源が5%程度とみられる。
[田原博人]
『日本天文学会編『新版 星図星表めぐり――その活用百科』(1989・誠文堂新光社)』