ジャンスキー(読み)じゃんすきー(英語表記)Karl Guthe Jansky

デジタル大辞泉 「ジャンスキー」の意味・読み・例文・類語

ジャンスキー(jansky)

電波天文学分野で用いられる電波強度単位米国の電波技術者カール=ジャンスキーの名に由来する。1ジャンスキーは、1平方メートル当たりに1ヘルツ当たりのエネルギー流量が10-26ワットであるときの電波強度で定義される。記号Jyを用いて、1Jy=10-26W/m2Hzと表される。

ジャンスキー(Karl Guthe Jansky)

[1905~1950]米国の電波技術者。1932年、銀河系中心部から電波が放射されていることを発見した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ジャンスキー」の意味・読み・例文・類語

ジャンスキー

  1. ( Karl Guthe Jansky カール=グーゼ━ ) アメリカ物理学者電波天文台創始者無線雑音を研究中、一九三一年にはじめて銀河中心からの電波を受信した。(一九〇五‐五〇

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジャンスキー」の意味・わかりやすい解説

ジャンスキー
じゃんすきー
Karl Guthe Jansky
(1905―1950)

アメリカの電波技術者。オクラホマ州ノーマンに生まれる。1927年にウィスコンシン大学を卒業。1928年からベル電話研究所(現、ベル研究所)に勤め、1930年に無線電話回線に影響を及ぼす空電の研究をはじめた。独特の形状のアンテナを開発して空電測定を続け、雷以外の雑音を感知した。その雑音はほぼ1日の周期(23時間56分)で増減を繰り返しており、銀河系のいて座の方向から届く、地球外からの電波であると考えられた。ジャンスキーは1933年にこの宇宙電波の発見を報告したが、天文学者からは反応がなかった。その後は天文分野から離れて生涯にわたり電波雑音などを研究した。しかし後年、可視光以外の波長での天体観測の重要性が認識され、ジャンスキーは電波天文学の創始者としてとらえられている。その業績をたたえて、1973年に国際天文学連合は電波放出の強さの単位をジャンスキー(Jy)と名づけている。

[編集部 2023年5月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャンスキー」の意味・わかりやすい解説

ジャンスキー
Jansky, Karl

[生]1905.10.22. オクラホマ,ノーマン
[没]1950.2.14. ニュージャージー,レッドバンク
アメリカ合衆国の電波技術者。フルネーム Karl Guthe Jansky。宇宙から飛来する銀河電波を発見して,電波天文学の創始者となった。1928年ベル研究所に入所。電話の通信障害の調査と究明に携わり,指向性をもつ線状のアンテナ(→指向性アンテナ)を設置して,1種類を除くすべての障害電波の発生源を特定した。数ヵ月に及ぶ研究の末,1931年にこの未知の障害電波が宇宙に由来することをつきとめた。翌 1932年春,電波の発信源がいて座方向(ハーロー・シャプリーヤン・ヘンドリク・オールトにより銀河系の中心と証明された方向)にあると結論づけた。その後電波天文学にかかわることはなく,アメリカの無線技術者で天文学者のグロート・リーバーが電波天文学の発展を担った。画期的な発見をたたえて,電波強度の単位にはジャンスキー(Jy)が使われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「ジャンスキー」の意味・わかりやすい解説

ジャンスキー

米国の電気技術者。電波天文学の創始者。1928年ベル電話研究所に入所,1931年通信障害の研究中にいて座の方向からほぼ24時間周期で到来する電波を発見,1933年論文に発表。天体からの電波の強度を表す単位〈Jy〉は彼の名にちなむもの。
→関連項目電波望遠鏡

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android