4チャンネルステレオ(読み)よんチャンネルステレオ(その他表記)4-channel stereo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「4チャンネルステレオ」の意味・わかりやすい解説

4チャンネルステレオ
よんチャンネルステレオ
4-channel stereo

前方だけでなく,前後左右音像再生,すなわち録音時の原音場を再生することを可能とするステレオ初期のモノディスクレコードでは,録音されている情報量はただ1つであり,それが1つのスピーカで再生される。この場合,その再生スピーカが試聴室での新しい音源となるわけであるが,この方式では音源再生はできても,原音場での各音源の配置などの情報はまったく失われている。そこで前方に並んだ音源の位置,すなわち前方の音像を明確に再生しようと考案されたのがステレオであり,それを前後左右の音像再生にまで発展させたのが4チャンネルステレオである。モノラル→ステレオ→4チャンネルステレオの発展は,音源→音像→音場という再生の発展とも考えられる。4チャンネルステレオは 1970年代に流行したが,その後衰退した。

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百科事典マイペディア 「4チャンネルステレオ」の意味・わかりやすい解説

4チャンネルステレオ【よんチャンネルステレオ】

4音源で録音し,4スピーカーで再生するステレオ方式。後部の反射音,残響音を入れ,またホール効果音や聴衆の拍手音を入れることのできるのが特徴。ディスクリート4チャンネルとマトリックス4チャンネルが主流前者は録音・伝送・再生が各独立した4-4-4方式で,後者は4-2-4方式。1969年−1970年,各社で種々の方式が開発されたが,再生方式がメーカーによって異なるため,1980年代にはほとんど姿を消した。→ステレオ再生装置

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世界大百科事典(旧版)内の4チャンネルステレオの言及

【オーディオ】より

…FMステレオ放送は61年にアメリカで標準方式が決定し,日本では63年にこの方式を採択し,69年にNHKが本放送を許可され,同年に初の民間FM局が開局した。また,70年代に入ると,4チャンネルステレオが盛んになり,放送やレコードにおけるいろいろな方式が提案されたが,方式の一本化ができず,プログラム制作の面でも問題が多く残されている。オーディオ産業をみると,1960年代に入ってから急速な発展を続けてきたが,80年代に入るとやや需要の低迷のきざしがみえた。…

【レコード】より

…2本の音溝を双頭ピックアップでトレースするレコード,1本の音溝を使い垂直,水平の両方向に記録するレコードなどが発表されたが,最終的には45‐45方式が標準方式としてRIAAで承認され現在に至っている。また,よりいっそうステレオ効果を増大させるための4チャンネルステレオレコードも70年ころを中心として発売された。方式としては,1本の音溝に四つの独立した音を記録することが可能なディスクリート方式,また,四つの信号をある数式(マトリックス)に従って混合し,2チャンネルステレオレコードと同じように記録するマトリックス方式があった。…

※「4チャンネルステレオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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