B型肝炎ワクチン(読み)ビーがたかんえんワクチン(その他表記)hepatitis B vaccine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「B型肝炎ワクチン」の意味・わかりやすい解説

B型肝炎ワクチン
ビーがたかんえんワクチン
hepatitis B vaccine

B型肝炎ウイルス (HBV) に対するワクチン。 HBs (hepatitis B surface antigen) 抗原を持つ,HBVキャリアのヒト血漿 (けっしょう) を原料として作られる。血漿中の HBs抗原を精製し,不活性化処理した後にワクチンとして利用される。ヒト血漿由来のワクチンは,材料がヒト血漿であるため,量の確保が困難である,不活性化が完全であるとの保証がないため安全性に問題が残る,などの欠点がある。そこで,遺伝子工学手法を用いたワクチンの開発が行なわれた。この方法で得られるワクチンは大量生産が可能であるが,獲得抗体価は,ヒト血漿由来のものより低い。現在両方の種類のワクチンが市販されている。

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世界大百科事典(旧版)内のB型肝炎ワクチンの言及

【ワクチン】より

…そのほか,痘瘡,ペスト,コレラ等のワクチンも,万一の流行に備えて備蓄されており,必要に応じて接種されることになっている。 ワクチンは新たに注目されるようになった疾患,たとえばウイルス性肝炎などに対してもつくられている(B型肝炎ワクチンは実用化されつつある)。また,最近つくられるようになったワクチンでは,その疾病を予防するのに最もたいせつな抗原部分だけを遺伝子操作,ペプチド合成などによりつくり,安全性がきわめて高いものがつくられるようになってきた。…

※「B型肝炎ワクチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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