法則の辞典 「BET吸着等温式」の解説
BET吸着等温式【BET adsorption isotherm】
ここで p は気体の圧力,ps は飽和蒸気圧,C は吸着熱 QA と液化熱 QL を含む下記のようなパラメータである.c1 は系による定数である.
実際にはこの式を変形して p/ps=x とおき,
とし,x/ {V(1-x)}を x に対してプロットして Vm と C とを定めることになる.
このほかに多分子層の厚さを有限とした式も導かれていて,細孔吸着の場合に利用されている.
多分子層吸着に対する吸着等温式の一つ.1938年,S. Brunauer,P.H. Emmett,E. Tellerによって提案されたので,三者の頭文字をとって命名された.吸着状態の模型として,ラングミュア型(ラングミュア吸着等温式)の単分子吸着層の上に,さらにファンデルワールス力によって第二層,第三層などに分子が液体に近い状態で吸着すると考える.おのおのの吸着層について,吸着および脱離の定常状態が成り立つとし,平衡吸着量vを求めると,
が得られる.ここで,vm は単分子層飽和吸着量,x = p/p0 は吸着温度での飽和蒸気圧p0 に対する吸着分子蒸気圧pの比である.この式は,xが0.05~0.35の範囲でよく成立する.実際には,この式を変形して,
とし,x/v(1 - x)とxとの直線関係から vm およびcを定める.吸着分子の断面積の値を用いて,vm から固体の表面積を求めることができる.このほか,多分子吸着層の厚さを有限とした式が導かれ,細孔内の吸着に利用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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