DCMU(読み)ディーシーエムユー

改訂新版 世界大百科事典 「DCMU」の意味・わかりやすい解説

DCMU (ディーシーエムユー)



尿素系除草剤の一つ。3-(3,4-dichlorophenyl)-1,1-dimethylureaの略で,典型的な光合成阻害型除草剤である。殺草作用の発現はゆるやかで,普通土壌処理剤として用いられる。日本では,禾穀(かこく)類,マメ類イモ類クワなどの畑,茶園,果樹園などの一年生雑草の除草に用いられる。DCMUと同系列の除草剤として,リニュロン(商品名アファロン,ロロックス),シデュロン(商品名デュパサン),ダイムロン(商品名ショウロン)などが使用されている。DCMUの哺乳類に対する急性毒性は,50%致死量LD50=437mg/kg(ラット経口)である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「DCMU」の解説

DCMU
ディーシーエムユー

3-(3,4-dichlorophenyl)-1,1-dimethylureaの農薬としての一般名.[同義異語]ジウロン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のDCMUの言及

【除草剤】より

…すなわち,イネ科雑草には殺草力を示し,イネには効果を示さないことから,日本ではベンチオカーブ,モリネートなど水田除草剤として大量に用いられている。尿素系除草剤には,DCMU,リニュロンなどの除草剤がふくまれ,典型的な光合成阻害型除草剤として知られる。DCMUは日本では禾穀類,野菜畑,果樹園の雑草防除に,外国では果樹園,野菜畑,ワタ畑などの雑草防除に使われる。…

※「DCMU」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android