DNAコンピュータ(読み)でぃーえぬえーこんぴゅーた(その他表記)deoxyribonucleic acid computer

日本大百科全書(ニッポニカ) 「DNAコンピュータ」の意味・わかりやすい解説

DNAコンピュータ
でぃーえぬえーこんぴゅーた
deoxyribonucleic acid computer

遺伝情報を含むDNAの分子配列は、生物の生命情報を伝えるためのプログラムで、DNA分子はある特定の記号列によって切断されたり結合されたりする。この組換え規則を利用した新たな分子生物学的な計算モデルをDNAコンピュータという。1994年に、アメリカの南カリフォルニア大学のエイドルマンLeonard Max Adleman(1945― )が、グラフ理論で多頂点立体を一筆書きするときの頂点数が7の場合のハミルトン閉路問題を試験管内で解いたとする論文を発表して国際的に注目され、研究が盛んになった。分子生物レベルで超並列的な処理をするため、スーパーコンピュータの120万倍の速度、10億分の1のエネルギーで情報を処理できるという。演算は一瞬にして終わり並列処理に優れているが、DNAは壊れやすく、転写時の誤差、結果の取出しの処理・時間に問題があるため、これらの改良の研究が世界中で進められており、東京大学、オリンパス社は実用タイプの装置の開発に成功、医学的応用を目ざしている。

[岩田倫典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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