出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…すなわち,第1には,故障が起こらないこと,外乱に対して安定であることであり,具体的には炉心に自己制御性を付与して固有安全性を実現するとともに,通常運転に必要な機器,特に放射性物質を閉じ込める燃料被覆材,一次冷却材バウンダリーとなる諸機器を十分な安全余裕をとって設計する。 第2には,そのように故障の発生しがたい設計を行っても故障や誤動作は発生すると考え,その場合に事故に至ることを防止するために,異常が発生したら原子炉を速やかに停止する原子炉緊急停止系(スクラム系)や,一次冷却材バウンダリーの破損による冷却材流出(冷却材喪失事故と呼ばれる)が発生したときに炉心に冷却材を注入して燃料の温度上昇を防ぎ,放射性物質放出に対する主要な障壁の一つである燃料被覆材の健全性を確保する非常用炉心冷却装置(ECCS)を設置する(図7)。ナトリウム冷却炉やガス冷却炉のように冷却材がまったく失われるような可能性がなく,かつ残存冷却材で冷却が維持できる場合にはECCSは特に必要ではない。…
…原子炉の工学的安全施設の一つであって,冷却材喪失事故時などに原子炉内に冷却材を注入することにより,燃料の大規模な破損を防止し燃料を引き続き冷却し続けうる形状に保つことを目的として設置されるシステム。略してECCSと呼ぶ。軽水炉用のECCSの有効性を試験した模擬試験の結果をめぐって1970年代前半にアメリカでこの設計の妥当性に関する論争が行われたが,その後アメリカのLoFT(Loss of Flow Testの略)計画をはじめとする多数の炉内・炉外実験,およびこれらの結果を解析する熱流力計算プログラムの開発と検証により,実際の原子炉におけるECCS作動時の炉心挙動についての知見は格段に増大し,その有効性についての確信は深まりつつある。…
※「ECCS」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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