GHQ覚書(読み)ジーエッチキューおぼえがき

改訂新版 世界大百科事典 「GHQ覚書」の意味・わかりやすい解説

GHQ覚書 (ジーエッチキューおぼえがき)

連合国最高司令官総司令部General Headquarters of the Supreme Commander for the Allied Powersが日本政府に対して発する指令占領政策の基本文書であるが,連合国が直接軍政を行ったドイツの場合とは異なり,この覚書を通じて日本政府にその指令を実行させるという間接統治の形式をとり,日本政府を通して統一的に占領行政を行うという特色をもっていた。指令は正式には覚書の形式をとるが,ときには最高司令官の書簡の形をとった場合もある。占領期間に出された覚書はきわめて多数にのぼり,基本的な政策の実施を命ずるものから,個々の具体的な措置を命ずるものまで多様にわたっている。降伏から講和発効までの占領期間の日本の政治行政は,全面的にこのGHQ覚書に規制されて行われたといってさしつかえない。またこの覚書実施のために,日本側は多数の勅令政令,その他の法律を制定した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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