化学辞典 第2版 「L-イソロイシン」の解説
L-イソロイシン
イソロイシン
L-isoleucine
2-amino-3-methylvaleric acid.C6H13NO2(131.18).略称IleまたはI.種々のタンパク質,ペプチドに構成アミノ酸として含まれている.必須アミノ酸の一つ.大豆ミール,甜(てん)菜糖廃液,カゼインなどの加水分解液より等電点沈殿法,アゾベンゼン-p-スルホン酸塩法で分離する.発酵法によっても生産される.不斉炭素原子を2個含むので,二つのラセミ体が存在する.L-イソロイシンの熱分解によって得られる光学活性アミルアミンは,発酵アミルアルコールから導かれるものと同じであるから,これらのβ位の立体配置は等しいことがわかる.D,L-イソロイシンは2-ブロモ-3-メチル吉草酸から種々の方法により合成できる.L-イソロシンは,斜方晶りん片状結晶で苦味をもつ.融点284 ℃.+11.29°(水).pK1 2.36,pK2 9.68.pI6.02.水に難溶,熱エタノールに微溶,他の有機溶媒に不溶.[CAS 73-32-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報