as low as reasonably achievableの頭文字をとった略称.放射線被ばく量を考慮する際の原則.国際放射線防護委員会(International Commission on Radiation Protection,ICRP)の1977年勧告で提唱された.以前の「可能な最低レベル」(lowest possible level)(1950年勧告),「最低実行可能レベル」(lowest practicable level)(1954年勧告),「実行可能最低レベル」(as low as practicable)(1958年勧告),「容易に達成できるかぎり低線量」(as low as readily achievable)(1965年勧告)から変遷してきた.経済的,社会的要因を考慮して,「合理的に達成できる最低レベル」で,その導入が正味でプラスであることという原則に従っている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…そこで,国際放射線防護委員会は,(1)正当化,つまり放射線被曝を伴う行為はそれによって総体でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならない,(2)最適化,つまり被曝を経済的および社会的な要因を考慮に入れながら合理的に達成できるかぎり低く保たなければならない,(3)制限,つまり個人の被曝線量は委員会が勧告する限度を超えてはならない,の3点から成る線量制限体系を勧告している。このうちの(2)の最適化は原文の〈as low as reasonably achievable〉からALARA思想といわれるものであり,(3)の制限が線量限度である。 線量限度を定量的に定めるにあたっては,放射線被曝によって誘発される癌や,遺伝的障害の確率,すなわち,危険度を他の因子による危険度と比較評価する考え方を適用する。…
…一方,気体や液体の放射性廃棄物は,処理の過程で発生した物も含め可能な限り放射性物質を除去して許容濃度以下にしてから,大気や水圏などの環境へ放出する。軽水炉の場合には,アララALARA(as low as reasonably achievable)と呼ばれる〈実際上可能な限り低く〉という原則により発電所周辺住民の年間被曝線量を0.05ミリシーベルト以下とする設計が求められている。
[再処理施設放射性廃棄物]
再処理施設から発生する放射性廃棄物は,高レベル廃棄物を含むことと,核分裂生成物およびTRU(アメリカ流の表現であり,原子番号93以上の超ウラン元素を指す)を含む物が多いことが特徴であり,比較的短寿命のβ・γ放射性物質を主とする原子力発電所の物と対照的である。…
…そこで,国際放射線防護委員会は,(1)正当化,つまり放射線被曝を伴う行為はそれによって総体でプラスの利益を生むものでなければ採用してはならない,(2)最適化,つまり被曝を経済的および社会的な要因を考慮に入れながら合理的に達成できるかぎり低く保たなければならない,(3)制限,つまり個人の被曝線量は委員会が勧告する限度を超えてはならない,の3点から成る線量制限体系を勧告している。このうちの(2)の最適化は原文の〈as low as reasonably achievable〉からALARA思想といわれるものであり,(3)の制限が線量限度である。 線量限度を定量的に定めるにあたっては,放射線被曝によって誘発される癌や,遺伝的障害の確率,すなわち,危険度を他の因子による危険度と比較評価する考え方を適用する。…
…一方,気体や液体の放射性廃棄物は,処理の過程で発生した物も含め可能な限り放射性物質を除去して許容濃度以下にしてから,大気や水圏などの環境へ放出する。軽水炉の場合には,アララALARA(as low as reasonably achievable)と呼ばれる〈実際上可能な限り低く〉という原則により発電所周辺住民の年間被曝線量を0.05ミリシーベルト以下とする設計が求められている。
[再処理施設放射性廃棄物]
再処理施設から発生する放射性廃棄物は,高レベル廃棄物を含むことと,核分裂生成物およびTRU(アメリカ流の表現であり,原子番号93以上の超ウラン元素を指す)を含む物が多いことが特徴であり,比較的短寿命のβ・γ放射性物質を主とする原子力発電所の物と対照的である。…
※「ALARA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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