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放射線防護 ほうしゃせんぼうごradiation protection

世界大百科事典 第2版の解説

ほうしゃせんぼうご【放射線防護 radiation protection】

人間およびその環境を,放射線被曝あるいは放射性物質による汚染から防護し,放射線障害の発生するのを防止すること。放射線保護のための実務を放射線管理あるいは保健物理,放射線防護を研究対象とした学問を保健物理学というが,放射線防護,放射線管理および保健物理の3者はニュアンスの違いはあるにせよ,実際にはほぼ同義語として用いられている場合が多い。国際放射線防護委員会は放射線防護において国際的に指導的立場にある。

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百科事典マイペディアの解説

放射線防護【ほうしゃせんぼうご】

人間および環境を,放射線被曝あるいは放射性物質による汚染から防護し,放射線障害の発生するのを防止すること。国際放射線防護委員会は放射線防護において国際的に指導的立場にある。そこでは,放射線障害を確率的影響(放射線誘発癌や突然変異)と非確率的影響(放射線誘発皮膚炎や白内障)とに分類する。そして,〈放射線防護の目的は非確率的な有害な影響を防止し,また確率的影響を容認できると思われるレベルにまで制限すること〉としている。この目的達成のため放射線被曝の限度である線量限度あるいは線量制限体系を勧告している。技術面から見れば,放射線防護の最も原則的なことは,放射線源をできるだけ狭い空間に閉じ込め,利用にあたっては取り出す放射線や放射性物質を必要最小限にとどめ,出てくる放射線を十分に管理することである。体外放射線に対する防護では,線源から距離をとること,被曝時間を短くすること,適切な遮蔽(しゃへい)を行うことが要点である。体内汚染に対する防護には,土壌汚染など環境の汚染の除去が基本で,さらに放射性物質を含む飲み水や食物の飲食の禁止などの注意が必要となる。放射線防護のためには,作業環境の放射線安全施設,設備,装置などを事前に十分備えなければならず,適切な放射線管理を行うことが重要である。福島第一原発事故などの重大な危機の場合にも,放射線防護の基本は変わらないが,放射線による汚染が広域にわたり,ホットスポットなど汚染度合いが極端に高い場所や瓦礫が存在するなど不測の事態が起こる可能性が高く,とくに厳重に注意しなければならない。→放射線遮蔽
→関連項目放射線放射線障害放射線量

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