BOOP(読み)ぶーぷ

家庭医学館 「BOOP」の解説

ぶーぷ【BOOP】

 Bronchiolitis Obliterans Organizing Pneumonia(器質化肺炎きしつかはいえん)をともなう細気管支炎(さいきかんしえん))の略語です。1985年に提唱された新しい病名ですが、病気自体は以前よりあり、また、とくにまれな病気というわけでもありません。
 40~60歳代に、せき、発熱、息苦しさで発病することが多く、胸部X線写真では、まず肺炎の疑われることが多い病気です。しかし、肺炎とはちがい抗菌薬がききません。そして、症状が治まらないので、やむをえずステロイド薬を使用すると急速に回復するのが特徴です。
 気管支肺胞洗浄(きかんしはいほうせんじょう)ではリンパ球の増加、またTリンパ球のなかでCD8リンパ球がCD4リンパ球より多くなっています。胸部X線写真では、半数ぐらいの患者さんで陰影の移動(遊走(ゆうそう))がみられます。肺の生検標本では、肺胞壁(はいほうへき)へ炎症細胞が浸潤(入り込む)していたり、閉塞性細気管支炎(へいそくせいさいきかんしえん)がみられます。
 BOOPという病名を知っていれば、誤診されることは少ない病気ですが、ときには、肺炎(「肺炎とは」)、特発性肺線維症(とくはつせいはいせんいしょう)(「特発性肺線維症(特発性間質性肺炎)」)、ウェゲナー肉芽腫(にくげしゅ)(「ウェゲナー肉芽腫症」)などと誤診されることがあります。好酸球性肺炎(こうさんきゅうせいはいえん)(「好酸球性肺炎」)はBOOPとよく似た病気で、生検標本がなければ区別のつかないことがあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

内科学 第10版 「BOOP」の解説

BOOP

bronchiolitis obliterans organizing pneumonia,器質化肺炎を伴う閉塞性細気管支炎

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む