H‐IIAロケット(読み)えいちつーえーろけっと/H2Aろけっと(英語表記)H‐IIA rocket

知恵蔵 「H‐IIAロケット」の解説

H‐IIAロケット

日本が21世紀の宇宙開発を担うH‐II後継機として開発した衛星打ち上げ用ロケット。商業衛星打ち上げビジネスへの参入をめざして、1回の打ち上げ費用をH‐IIの約190億円から90億円弱にコストダウンした。全長53mの2段式で、静止トランスファー軌道に4t級の衛星を運ぶことができ、将来は大型の液体燃料ブースターを装備して、同軌道に7.5tの衛星を運べるようにする。1号機の2001年8月29日を皮切りに、03年3月までに5機の打ち上げに成功。同年11月に打ち上げられた6号機は、補助ロケットのうちの1本が分離せず、情報収集衛星の軌道投入に失敗したが、05年2月に7号機が運輸多目的衛星MTSAT‐1R(ひまわり6号)の打ち上げに成功し復活した。さらに06年1月に陸域観測技術衛星だいち(ALOS)、2月には運輸多目的衛星2号機ひまわり7号(MTSAT‐2)を打ち上げた。近い将来、民間に移転される。

(的川泰宣 宇宙航空研究開発機構宇宙教育センター長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

知恵蔵mini 「H‐IIAロケット」の解説

H-IIAロケット

日本が独自に製造した人工衛星打ち上げ用液体燃料ロケット。「H2Aロケット」と表記されることが多い。全長53メートル、直径4メートル。開発は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業株式会社。1994年に第1号機が打ち上げられたH-IIロケットの後継機であり、2001年に試験機第1号が打ち上げられた。13年1月27日時点で、打ち上げ回数は22回、成功率は95.5パーセント(03年11月打ち上げの6号機のみ指令破壊により失敗)。

(2013-1-29)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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