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情報収集衛星 じょうほうしゅうしゅうえいせい

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知恵蔵2015の解説

情報収集衛星

1998年8月31日の北朝鮮によるテポドン発射後、偵察衛星保有を求める声が与野党から高まり、政府は同年11月、情報収集衛星4機の打ち上げを決定、2003年3月28日にまず2機が軌道に乗ったが、03年11月の打ち上げは失敗した。1機は望遠カメラを積んだ光学衛星で、高度500kmからの解像力は1m、1機は高精度のレーダーを積み、夜でも雲があっても地表1〜3mの物体をとらえる。06年9月11日に光学衛星、07年2月24日にレーダー衛星が打ち上げられ当初計画の4機となった。いずれも画像を北海道苫小牧市鹿児島県阿久根市の地上局にデジタル送信する。経費は当初の2機で約2500億円。衛星の寿命は5年。だが、偵察衛星は地球を南北に1周約90分で周回し、各地点上空を1日に1、2回通過するため、常時1地点を観察するのは不可能。また、全世界の写真を撮っても、何が写っているかを解析するには経験、専門知識が必要になる。情報分析には公刊文書の収集、電波傍受、人的情報などの多面的な情報が必要で、日本独自の情報能力は衛星だけでは達成できない。

(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

じょうほうしゅうしゅう‐えいせい〔ジヤウホウシウシフヱイセイ〕【情報収集衛星】

外交・防衛などの安全保障大規模災害などの危機管理に必要な情報の収集を目的とする日本の人工衛星。平成10年(1998)、北朝鮮によるテポドン発射をきっかけに導入され、内閣衛星情報センターが運用を担当している。IGS(Information Gathering Satellite)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

情報収集衛星
じょうほうしゅうしゅうえいせい

軍事施設や騒乱状況などを宇宙空間から監視し情報を収集することを目的にした人工衛星。1998年(平成10)8月の北朝鮮によるミサイル発射疑惑をきっかけに、日本が独自に周辺国の軍事情報を得るための衛星を導入する議論が本格化した。政府は同年11月、導入方針を閣議で正式に決定した。内閣官房に「情報衛星推進委員会」を設置し、計画、運用を官邸主導で国産化を軸に検討を進め、国内メーカーも強い関心を示した。日本は宇宙開発を進めるにあたって、1969年(昭和44)に衆議院で「平和目的に限る」ことを決議しているが、1985年の政府見解で「利用が一般化している衛星は自衛隊の利用が認められる」と、民間の衛星画像情報を防衛目的に利用できるようにしており、独自の情報衛星の保有でいっそう自衛隊の情報収集能力が高まるとされている。しかし、衛星情報分野は事実上、アメリカが主導権を握っており、開発と運用にあたって日米間の摩擦を危惧(きぐ)する声もある。2003年3月、日本で初めての情報収集衛星を搭載したH-Aロケット5号機が宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)によって打ち上げられた。搭載されたのは、約1メートルの分解能をもつ光学センサーを備えた光学衛星1基、夜間や雨天でも撮影可能な合成開口レーダー衛星1基の計2基である。続いて2003年11月に、H-A6号機によって情報収集衛星2基が打ち上げられたが、6号機は固体ロケットブースターの分離に失敗、衛星の軌道投入は失敗した。その後、2006年9月H-A10号機により1基、2007年2月H-A12号機により2基、2009年11月H-A16号機により1基の情報収集衛星が打ち上げられ、運用されている。なお、宇宙開発事業団は2003年10月、統合により宇宙航空研究開発機構となり、打ち上げは宇宙航空研究開発機構に引き継がれている。[本谷夏樹]

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