日本大百科全書(ニッポニカ) 「LPG機関」の意味・わかりやすい解説
LPG機関
えるぴーじーきかん
燃料としてLPG(liquefied petroleum gasの略。液化石油ガス)を用いる熱機関。一般にはガソリン機関にLPGを用いたものをいう。液化したガスは、減圧気化装置を通して気化器から機関に吸入させる。ガソリン機関に比べて燃料費が安く、また燃焼室や潤滑油の汚れが少なく機関の寿命も長くなる。また比較的希薄な燃焼が可能で、排気ガス中の一酸化炭素、未燃炭化水素も少ない。しかし反面、燃料タンクとしてじょうぶな高圧タンクが必要であり、また燃料補給にも高圧で燃料を貯蔵する補給所が必要であり、燃料の貯蔵、運搬はガソリンほど容易ではない。したがって運行場所が限定され、燃料補給設備の準備を行いやすいタクシー業界などで使用されている。
[吉田正武]