化学辞典 第2版 の解説
N-カルボキシアミノ酸無水物
カルボキシアミノサンムスイブツ
N-carboxyamino acid anhydride
NCAと略記される.NCAは通常はホスゲンから合成されるが,ホスゲンは毒性がきわめて高いため,クロロギ酸トリクロロメチルから合成する方法もある.低温で水の作用により開環してN-カルボキシアミノ酸を与え,その水溶液は酸性を示す.加温すると二酸化炭素を放出してアミノ酸となる.また少量の水,アルコール,アミンなどを開始剤として重縮合させると,二酸化炭素を放出してα-ポリアミノ酸が得られ,合成ポリペプチドの一般的な合成法である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報