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心臓神経症 しんぞうしんけいしょうcardiac neurosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

心臓神経症
しんぞうしんけいしょう
cardiac neurosis

神経循環無力症ともいう。心臓に器質的な異常はないが,心臓に関するいろいろの症状の多い状態で,器官神経症の一つである。きわめて多彩な症状が表れるため,努力症候群とか兵士心臓など,いろいろな命名がある。不安神経症型,恐怖症型,心気症型,ヒステリー型,抑うつ型などに分けられるが,不安神経症型が最も多い。いずれも心理的要因やストレスが原因になっている。

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デジタル大辞泉の解説

しんぞう‐しんけいしょう〔シンザウシンケイシヤウ〕【心臓神経症】

心臓そのものに病変はないのに、心臓の痛みや動悸(どうき)・息切れなどを示す神経症。心臓ノイローゼ

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百科事典マイペディアの解説

心臓神経症【しんぞうしんけいしょう】

心臓ノイローゼ,神経循環無力症ともいう。心臓や血管に原因がなくて,心臓病のような症状を訴える心身症。一般に,神経質無力性体質の人に起こりやすい。誘因としては,過労,精神的ショック,内分泌障害など。

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家庭医学館の解説

しんぞうしんけいしょう【心臓神経症 Cardiac Neurosis】

[どんな病気か]
 本当に心臓に異常があるわけではないのに、胸痛や動悸(どうき)などの心臓病で認められる症状を訴える場合に心臓神経症と診断されます。ダ・コスタ症候群(コラム「ダ・コスタ症候群の名前の由来」)とか神経循環無力症(しんけいじゅんかんむりょくしょう)と呼ばれたりもします。まったく心臓病は存在せず、いろいろな精神的原因で胸部の症状を感じる場合と、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの心臓病を経験したことによる再発の不安から、真の狭心症ではない胸痛などを感じる場合があります。
[原因]
 何らかの不安がある場合におこることが多く、不安神経症の一種と考えられています。胸痛を訴えて病院を受診し、諸検査によって心臓病が否定された人の3分の1~半分では、精神科専門医が診(み)ると不安神経症と診断されるという報告もあります。
 疲労などでおこる場合もあります。
[症状]
 狭心症が前胸部の中央の痛みで、からだを動かしたときに短時間感じる場合が多いのに対し、心臓神経症では左胸の痛みであったり鈍痛を長時間感じたりします。逆に胸の一部を刺すようなごく短時間の痛みである場合もあります。
 手足のしびれ、耳鳴り、頭痛、顔面紅潮(こうちょう)、息切れなどや、不安から呼吸が速くなって息苦しさが増す過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)の症状をともなうこともあります。
[検査と診断]
 専門医の問診、診察、胸部X線検査、心電図、心エコー検査(「心臓超音波検査(心エコー)」)などで心臓病がないことを確認する必要があります。心臓カテーテル検査と呼ばれる精密な造影検査が必要な場合もあります。
 肺、胃や食道、神経や筋肉の異常であったり、頸椎症(けいついしょう)であることもあり、内科一般の診察も必要です。それらにより通常の病気が否定されれば診断がなされます。強い症状でなく、前述の全身のさまざまな症状をともなう場合には、この状態であることが多いようです。
[治療]
 本当の心臓病ではないので気にしないようにすればよいのですが、症状が強い場合には精神安定剤、抗不安薬が有効です。重篤(じゅうとく)な場合には精神科医の診療が必要です。
●日常生活の注意
 睡眠・休養をよくとって心身を休め、気分転換や仕事以外の趣味をもつこともよいでしょう。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんぞうしんけいしょう【心臓神経症 cardiac neurosis】

心臓ノイローゼ,神経循環無力症ともいう。神経症のうち,一定の器官の機能障害を訴えるものを器官神経症というが,そのなかで心臓症状を主訴とするものをいう。呼吸困難,疲れやすさ,胸痛,動悸,不安など一群の不定愁訴を特徴とする症候群で,患者の訴えがしばしば狭心症,心筋梗塞(こうそく)の胸痛発作に似ていることから,ときに鑑別が困難であるという点で重要視される。しかし心臓神経症の症状にはいくつかの特徴がある。胸痛は痛みとして訴え,手の指で患部をさし示すことが可能である。

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大辞林 第三版の解説

しんぞうしんけいしょう【心臓神経症】

心因によって起こる心臓の機能的障害。心臓部に疼痛とうつうがあり、脈搏みやくはく増加・呼吸性不整脈など多様な症状を訴えるが、心臓に器質的疾患はない。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

心臓神経症
しんぞうしんけいしょう
cardiac neurosis

精神的原因によって心臓および循環器の器質的疾患と類似の症状を呈する症候群であり、別に類似の概念として神経循環無力症neurocirculatory asthenia(NCA)がある。発症年齢は各年齢層に及ぶが、20~40歳代にもっとも多く、女性にやや多い。前胸部痛と呼吸困難の2症状がほとんどの場合に必発し、ほかに動悸(どうき)(心悸亢進(こうしん))、めまい、頭痛、振戦(ふるえ)などが比較的高頻度で認められる。これらの多彩な自覚症状に比べ、心電図などの各種心血管系検査における所見に乏しいことが特徴である。治療は、患者の精神的ストレスや不安感を除去することが基本であり、トランキライザー(精神安定剤)が適宜用いられる。それぞれの精神状態に応じた治療が行われ、予後は一般に良好である。[井上通敏]

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世界大百科事典内の心臓神経症の言及

【狭心症】より

…痛みの性質は,圧迫されるような,胸焼けのような,板をはりつけられるような,といったぼんやりした苦しみとして表現されることが多いが,針や焼火ばしを刺されるような鋭い強い痛みと表現されることもある。しかし,ちくちく,ずきずきといった表在的で,一定の範囲を明確に指し示すことはまれで,このような痛みは心臓神経症に多い。狭心症では痛みとともに,動悸や息苦しさを感じたり,冷や汗・脂汗・めまいなどを伴うこともある。…

※「心臓神経症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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