Nippon（読み）にっぽん

山川 日本史小辞典 改訂新版

Nippon
ニッポン

シーボルトが著した日本とその近隣の研究紹介書。22冊本。分冊形式で1932年に第1分冊がオランダのライデンで出版され，以後58年頃まで配本された。製本の冊数は一定しない。シーボルトが1823～28年(文政6～11)の日本滞在中，オランダの国策にそって日本の博物学的・民族学的研究調査を行い，収集した多種多様の資料に，日本の門人・知人の報告資料などを加えて，帰国後まとめたもの。内容は日本の自然地理，民族と国家，26年の江戸参府旅行，歴史，考古学，宗教，農工業，貿易，近隣諸国と保護国，蝦夷・千島・樺太および黒竜江地方の情報，琉球など広範・多岐にわたる。西欧学者の日本研究書のなかでも不朽の名著とされ，「日本植物誌」「日本動物誌」とともに三部作をなしている。雄松堂書店から刊行。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

世界大百科事典（旧版）内のNipponの言及

【名取洋之助】より

…34年，木村伊兵衛，伊奈信男らと〈日本工房〉を設立，展覧会などで，報道写真の啓蒙にあたった。同工房はすぐに内部対立で分裂したが，彼は第2次〈日本工房〉を再建，同年10月からは海外向け日本宣伝雑誌《NIPPON》を発行し始める。同誌はデザイナーの山名文夫（やまなあやお），亀倉雄策(1915‐97)，カメラマンの土門拳などのスタッフによる，質の高い視覚的なグラフ雑誌であった。…

※「Nippon」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」