日本大百科全書(ニッポニカ) 「NKVD」の意味・わかりやすい解説
NKVD
えぬかーべーでー
内務人民委員部НКВД/NKVD(ロシア語)。Народный Комиссариат Внутренних Дел/Narodnïy Komissariat Vnutrennikh Delの略称。1917年11月から1922年12月までロシア共和国で、1934年7月から1960年1月までソ連邦において設けられた。なお、1946年以降は内務省に改編。革命後のロシアおよびソ連では、秘密警察、対外諜報(ちょうほう)の仕事はチェカー、1922年からGPU(ゲーペーウー)、1923年からはOGPU(オーゲーペーウー)(合同国家保安本部)が行っていたが、1934年それがNKVDに統合された。その長は1934年7月ヤゴダ、1936年9月エジョフ、1938年12月ベリヤであったが、この時期に、党・政府の指導者を裁判にかけ、大粛清を行った。この期の活動の解明はスターリン批判にとって重要であるが、まだ緒についたばかりである。その後KGB(カーゲーベー)(国家保安委員会)が仕事を引き継いだ。
[木村英亮]