ロシアの十月革命後設置された、「反革命、サボタージュおよび投機取締り全ロシア非常委員会」の略称。ふつうチェカー(またはベチェカー)という。
1917年12月、上部機構としてのチェカー(全ロシア非常委員会)がまず創設され、ついで18年に、県、郡(19年1月に廃止)、運輸、前線、軍隊に下部組織としての各チェカーが置かれた。17年11月に成立したソビエト政権は、国内の反革命勢力の活動や、イギリス、アメリカ、フランスなど外国の干渉によって厳しい条件の下に置かれた。チェカーは、帝制政府の旧官吏、将軍、資本家、ボリシェビキに反感を抱く者など、反革命的人物に対処するための秘密警察として、また白衛軍のスパイと外国干渉軍の手先に対抗するための諜報(ちょうほう)機関として設立された。長官にはポーランド人のF・E・ジェルジンスキーが任命され、反革命に対して徹底的な弾圧を加えた。ペトログラード(現サンクト・ペテルブルグ)・チェカーの長モイセイ・ウリツキーは18年テロに倒れた。22年に廃止され、ゲー・ペー・ウー(国家政治部)に再組織された。
[木村英亮]
十月革命直後に革命政権防衛のための政治警察として設置された「反革命,サボタージュおよび投機活動取締り全ロシア非常委員会」のこと。1918年半ば「赤色テロル」を発動し,内戦のなかでは一層激しい抑圧を加えた。22年廃止。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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