日本大百科全書(ニッポニカ) 「PO箱」の意味・わかりやすい解説
PO箱
ぴーおーばこ
ブリッジ回路の基本となるもので、5個の抵抗を直列接続でも並列接続でもない形に接続した回路がホイートストンブリッジで、このブリッジの平衡条件を利用して、中位抵抗(1~106オームぐらい)を精密に測定する装置。post office boxの略称で、POボックスともいう。構成は のようになっており、それぞれの栓孔(せんこう)のところに記入してある数値は、その栓を抜いたとき直列に入る抵抗値である。PとQはそれぞれ10オーム、100オーム、1000オームの抵抗からできており、P/Qの値を100分の1、10分の1、1、10、100の5通りに変えられる。一方Rは、栓の抜き差しで1オームから1万1110オームまで1オーム飛びに抵抗値を変えられる。測定に際しては未知抵抗Xのほか、検流計と電池を接続する。使用時にブリッジの感度をあげるには、ブリッジに流す電流を適当に大きくすることと、検流計端子から眺めたブリッジの合成抵抗の値を、検流計の外部臨界制動抵抗(指針が速く正しい指示をするための抵抗)にあわせるようにするとよい。キーを押す順序は、まず電源キーを閉じ、次に検流計キーを閉じる。キーを開くときはこの逆の順序である。なお、検流計は電圧感度の高いもののほうがよい。
[高尾利治]