電気回路の微小電位差や微小電流の有無を検出する装置。ガルバノメーターgalvanometerといわれ、ガルバと略称することもある。単独で用いるもののほか、各種のブリッジに組み込まれて回路の平衡検出に使用されるものも多い。直流用と交流用とに分けられ、構造上から可動磁針型と可動コイル型とに大別される。ただし、可動磁針型は取扱いが不便なため、現在ほとんど使われない。可動コイル型は強い永久磁石の磁極間に、軽い反射鏡付きの可動コイルをつり下げてある。コイルに微小電流が流れると、駆動トルクが生じてコイルは回転する。回転につれてつり線がねじれ、生じた制御トルクと駆動トルクとが平衡した位置で静止し、この「振れ」を反射光で読んで電流の有無を検出する。普通このタイプを反照検流計という。反照検流計では10-10アンペア程度の電流も検出できて精密な実験に用いられるが、振動の除去や調整など、取扱いに十分な注意が必要である。これを簡便にしたのが箱型検流計と指針型検流計で、前者は10-8アンペア程度、後者は10-6アンペア程度の微小電流の検出ができる。また、交流用としては振動検流計があるが、取扱いがめんどうなため、現在はほとんど用いられない。
[高尾利治]
ガルバノメーターともいう。微小電流,電圧の検出に用いられる計器。ブリッジ,電位差計などの零位法(差電圧の検出)を用いる場合に必要なもので,測定精度は検流計の感度に依存する。直流用には,その可動部分の構造により可動磁心形と可動コイル形があり,指示部分の構造により指針形と光てこを利用して感度を高めた反照形がある。交流用には,交流と可動部分の共振を利用した振動検流計,電荷測定には制動を減らして周期を長くした衝撃検流計がある。検流計の構造は,永久磁石の磁極間に可動コイルを細いつり線でつるしたもので,これに電流を流すと磁界と電流によって回転力が発生する。回転力によってコイルは回転し,つり線の復原力とつり合った点で停止するので,つり線に付した鏡によって光のスポットを反射し,スケール上のスポットの変位に変換して電流の大きさを知ることができる(図)。光の変位をさらに光電変換素子を用いて増幅するものを検流計増幅器と呼び,高精度測定に用いられる。とくにブラウン運動,熱雑音の限界までの測定が可能な点で特徴がある。微小電流を交流変換増幅して指示させるタイプの直流増幅器は,検流計と同様な目的に用いられるので,電子式検流計と呼び,しだいに可動コイル形検流計に代わりつつある。
執筆者:平山 宏之
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…北部鉄道Chemin de Fer du Nordに入り,蒸気機関車用計器を開発した。電気にも興味をもち,1878年に検流計を考案,これは82年にダルソンバールJ.A.d’Arsonvalによって改良され,広く使われた。ドプレは,長距離送電について1881年のパリ電気博覧会で講演した。…
※「検流計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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