STS(読み)エスティーエス(英語表記)Science,Technology and Society

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「STS」の意味・わかりやすい解説

STS
エスティーエス
Science,Technology and Society

1970年代頃に欧米で始まった,科学や技術の社会とのかかわりに焦点をあてる学際的な学問分野。英語の科学・技術・社会の頭文字をとって名づけられた。科学技術社会論ともいう。科学技術の発展による社会への肯定的および否定的影響,また逆に社会が科学技術の方向性に与える影響を,しばしば批判的立場から分析する。今日,大学では独自の学問領域として一般教育に採用されている。アメリカ合衆国では,社会制度のなかでの有効な科学技術政策立案という実践的な役割も担っている。近年環境破壊遺伝子操作など科学の発展に伴う問題が浮き彫りになり,倫理面からも STSが重要視されている。日本では 1990年に STS Network Japanが設立され,STSを専門とする大学教員は 2014年現在で 300人程度いる。

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