化学辞典 第2版 の解説
t-ブチルヒドロペルオキシド
ブチルヒドロペルオキシド
t-butyl hydroperoxide
C4H10O2(90.12).(CH3)3COOH.t-ブチルアルコールまたはイソブチレンを硫酸でスルホン化し,ついで過酸化水素と反応させて工業的に製造されている.工業製品は,約70% 水溶液である.融点4.0~4.5 ℃,沸点35 ℃(2.7 kPa).0.896.1.4007.有機溶媒に可溶.約75 ℃ まで安定であるが,常圧蒸留では爆発する.有機合成では,ヘキサカルボニルモリブデンなどの金属触媒の存在下,不飽和アルコールの不斉エポキシ化,シリルエノールエーテルの酸化開裂,アリル位の酸化などに広く用いられている.重合触媒,硬化剤として工業的に利用される.LD50 406 mg/kg(ラット,経口).[CAS 75-91-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報