常圧蒸留(読み)じょうあつじょうりゅう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

常圧蒸留
じょうあつじょうりゅう
atomospheric distillation

広義には液体を常圧下で蒸留することをいうが、通常、原油の常圧下における蒸留をさし、トッピングtoppingともいう。石油精製法の第一段階にあたり、この操作で原油はまず沸点範囲の差により、蒸留ガス、軽質ナフサ、重質ナフサ、灯油、軽油、重質軽油などの各留分に大別され、これらが各種石油製品の原材料となる。常圧蒸留で留出するのは沸点約350℃までの成分で、残余は常圧残油として重油材料となるか、あるいはさらに減圧蒸留用の材料となる。[原 伸宜]

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化学辞典 第2版の解説

常圧蒸留
ジョウアツジョウリュウ
atmospheric distillation

液体混合物を常圧下で蒸留し,沸点によって分離する方法.とくに石油工業においては,原油を常圧下で加熱し,沸点によってガス,ナフサ灯油軽油などの各留分,および残油に分別する石油精製の第一段階で行う操作のことをいう.このため,常圧蒸留装置の能力は,石油精製全体の能力を代表するものとなる.常圧蒸留を行う装置は,トッパーとよばれている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の常圧蒸留の言及

【蒸留】より

…材質としては実験室用にはガラスが用いられ,工業的には主としてステンレス鋼が用いられるが,特別に腐食性の強い物質を取り扱う場合には,その他の材質たとえばガラスが用いられる。 操作圧力としては高圧蒸留(普通は数十気圧まで),常圧蒸留および減圧蒸留があり,減圧蒸留はさらに200mmHg程度までの減圧蒸留,1mmHg程度までの真空蒸留と10-1mmHg以下の分子蒸留とに分けられる。真空蒸留分子蒸留
[特殊な蒸留]
 石油は非常に多数の成分からなる混合物であるが,まずはじめに常圧蒸留塔に供給し,塔頂からはガスを,塔底からは重質残渣油を取り出し,塔の中間では上のほうから順にナフサ,灯油,軽油などを抜き出して製品を得ている。…

※「常圧蒸留」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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