最新 地学事典 「T相」の解説
ティーそう
T相
T phase
1940年,D.Linehanはカリブ海付近の地震を北米のウェストンで記録した記象中に,短周期(0.5s以下)の非常に明瞭な特殊な波群を発見し,これはまったく新しい第三番目の波(third wave)だと考え,その頭文字をとってT相と名づけた。その後,同種の波が各地で海洋経路の地震波中に発見され,その伝搬速度がいずれの場合も,ほぼ水中を伝わる音速に近い(1.47km/s前後)ことから,I.TolstoyやM.Ewingなどは,海洋中,深さ1,200~1,400mぐらいの所に音速が最低になる層(低速度層)があることから,この波は,震源から出た弾性波がこの低速度層にとらえられる一種のチャネル波として海中を伝わってきたものだと考えた。参考文献:D.Linehan(1940) Trans. Am. Geoph. Union, Vol.21:229
執筆者:三東 哲夫
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

