ナヌカザメ（読み）なぬかざめ

日本大百科全書(ニッポニカ)

ナヌカザメ
なぬかざめ / 七日鮫

軟骨魚綱メジロザメ目トラザメ科の属の総称、またはその1種の名称。ナヌカザメ属Cephaloscylliumは第1背びれが腹びれ上方にあること、臀(しり)びれがあること、第2背びれと臀びれがほぼ対在すること、体に不規則な斑紋(はんもん)があること、海水を吸い込んで胃にため、腹部をフグのように膨らませることができること、などの特徴をもち、世界で18種が知られている。

　種としてのナヌカザメC. umbratile（英名Japanese swellshark）は属内でも大形で、全長1.2メートルほどになる。生殖方法は短期型単卵生で、キチン質の卵殻卵を短期間に2個ずつ産み、これを繰り返す。この卵殻には四隅にコイル状の長い糸があり、それを海藻などに絡みつける。底引網などで漁獲され、練り製品などの原料となる。北海道南部以南の日本各地、東シナ海などに分布する。国際自然保護連合（IUCN）のレッド・リストでは、準絶滅危惧(きぐ)（NT）に指定されている（2021年9月時点）。

［仲谷一宏　2021年10月20日］

[参照項目] | サメ | トラザメ

ナヌカザメ〔標本画〕

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

小学館の図鑑NEO[新版] 魚

ナヌカザメ
学名：Cephaloscyllium umbratile

種名 / ナヌカザメ
目名科名 / メジロザメ目｜トラザメ科
解説 / 水や空気を飲みこんで腹部をふくらませることができます。大陸だなの海底にすみ、主にエビ・カニ類を食べます。卵生。
別名 / トラブカ、ネコブカ
全長 / 110cm
分布 / 日本各地、朝鮮半島～中国南東部
人との関わり / 地方によっては食用

出典　小学館の図鑑NEO[新版] 魚