ハス

百科事典マイペディア 「ハス」の意味・わかりやすい解説

ハス(蓮)【ハス】

熱帯アジア原産のハス科の多年生水生植物。日本に自生していたかどうかははっきりしない。観賞用(花バス),食用レンコン)として古くから各地の池や沼,水田で栽培され,特に花バスには多くの品種がある。水底の泥の中をはう地下茎の節から長い柄をのばし,径30〜50cmのほぼまるく楯(たて)形をした葉を水面上に出す。夏の朝,水の上につき出る太い花茎の先に1花を開く。花は径10〜25cmで,芳香があり,花弁は20数枚,花色は淡紅,紅,白など。花托ハチの巣状をなし(古名,蜂巣はこれによるといわれる),その穴の中にできた果実は堅い暗黒色の果皮で種子を包んでいる。種子の寿命はきわめて長く,1000年以上前の種子の発芽も知られる。秋の末に地下茎の先端の肥大したものが野菜の蓮根(れんこん)で,種子も食用になる。また薬用植物としても古くから知られ,止血強壮に用いられる。
→関連項目ハチス

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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