生没年未詳。『万葉集』末期の歌人。別名紀小鹿(おしか)。紀鹿人(かひと)の娘で、安貴王(あきのおおきみ)の妻。『万葉集』に12首の短歌が所収。このうち5首が大伴家持(おおとものやかもち)への贈歌。いずれも友交関係による社交的な歌であるが、当時の一般的傾向として恋歌的な、あるいは諧謔(かいぎゃく)的なことば遣いが持ち込まれる。「戯奴(わけ)がためわが手もすまに春の野に抜ける茅花(つばな)そ召して肥えませ」など、当時の新風の一典型といえる。事実とは異なる恋や、言語遊戯的な諧謔を通して、和歌が社交の重要な具となりつつあった。また一方では、月下の梅への観照による新しい風流の歌をも詠んでいる。
[鈴木日出男]
桜が咲くころの、一時的な冷え込み。《季 春》「―や剝落しるき襖ふすまの絵/秋桜子」[類語]余寒・春寒・梅雨寒・寒い・肌寒い・薄ら寒い・寒寒・深深・凜凜・冷え込む・うそ寒い・寒さ・寒気・寒波・厳寒・酷寒...