背腹性(読み)はいふくせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「背腹性」の意味・わかりやすい解説

背腹性
はいふくせい

動物に背腹を生じさせる性質をいう。動物の体は一般に、その長軸地面平行に置いたとき、重力方向に沿って体の各部の構造や働きが違っている。この違いによって背腹を定義することができる。このような背腹の差は、発生のある時期から、胚(はい)の部分の働きの違いとして現れる。この背腹性に従って各器官の配置が決められる。背腹性はこのように、動物の体が三次元的な秩序をもつために重要な三つの要素の一つである(ほかの要素とは、頭尾内外を存在させるような性質をいう)。この背腹性の出現は卵の極性によるとか、あるいは卵内での物質の不均等な分布による、とかいうようにいわれるが、その仕組みはよくわかっていない。

[竹内重夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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