限界収入(読み)げんかいしゅうにゅう(英語表記)marginal revenue

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「限界収入」の意味・わかりやすい解説

限界収入
げんかいしゅうにゅう
marginal revenue

企業家がその生産物を1単位余分に売却したときに得られる収入増加分。完全競争の場合には一企業の供給の増加は市場価格影響を与えないから限界収入は市場価格となり,供給量の変化にかかわらず一定となる。しかし供給者が独占企業である場合,その供給量の変化は市場価格に影響を与え,限界収入は変化する。その変化の程度需要曲線弾力性により決る。 (→限界革命 , 需要の弾力性 )  

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世界大百科事典(旧版)内の限界収入の言及

【価格形成】より


[民間企業の価格形成]
 利潤を目的とした民間企業のおもな価格形成原理として,限界原理とフルコスト原理がある。限界原理marginal principleというのは,企業は生産の追加的増加による収入の増加分(限界収入)が費用の増加分(限界費用)と等しくなる数量で生産を行うことによって利潤の最大化を図れる,というものである。限界収入が限界費用を上まわっている状態にあれば,それより生産を拡大することにより企業の獲得する利潤は増大し,逆の場合には減少する。…

【限界費用】より

…限界費用は,企業の意思決定および社会の効率的な資源配分の決定に重要な役割をはたす。企業が利潤を最大にするよう行動するならば,限界費用と限界収入(販売量をもう1単位増加させた場合の総収入の増加分)が等しくなるように,生産量を決定すればよい。限界費用と限界収入が等しくない場合には,生産量を増減することによって利潤の増加(あるいは損失の減少)をはかることができるので,利潤は最大になっておらず,それは両者が等しくなる生産量においてのみ最大になっている。…

※「限界収入」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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