むくつけ(読み)ムクツケ

デジタル大辞泉 「むくつけ」の意味・読み・例文・類語

むくつけ

[形動ナリ]形容詞「むくつけし」の語幹から》
気味悪いさま。恐ろしいさま。
「此の恐ろしき報ひをなんいふは、いと―なり」〈読・雨月蛇性の婬〉
無骨ぶこつであらあらしいさま。
雲駕くもかご馬士まごの―なる」〈滑・膝栗毛・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「むくつけ」の意味・読み・例文・類語

むくつけ

[1] (形容詞「むくつけし」の語幹) 不気味であること。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「あな、むくつけ、露だにぞなき」
源氏(1001‐14頃)花宴「女、おそろしと思へる気色にて、あな、むくつけ。こは誰(た)そとのたまへど」
[2] 〘形動〙
① 並はずれていておどろくほどのさま。不気味なさま。また、あくが強くなじめないさま。
※読本・雨月物語(1776)蛇性の婬「かりそめ言をだにも此恐しき報(むく)ひをなんいふは、いとむくつけなり」
無作法で野蛮なさま。無骨であらあらしいさま。野暮で、風流な点のないさま。
日葡辞書(1603‐04)「Mucutçuqena(ムクツケナ)モノ。または、ムクツケ ヲトコ」
浮世草子好色五人女(1686)三「都衆縁組の事を母親語りければ、むくつげなる男も是をよろこび」

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