アオウキクサ(青浮草)(読み)アオウキクサ(英語表記)Lemna paucicostata; duckweed

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アオウキクサ(青浮草)」の意味・わかりやすい解説

アオウキクサ(青浮草)
アオウキクサ
Lemna paucicostata; duckweed

ウキクサ科の多年草。日本各地の池や水田などに浮遊する小型の植物。葉と茎との区別はなく,2~3.5mmの卵円形で,緑色で平らな葉状体から成る。裏面の中央から1本の細い根を出す。体の側方から芽を出してふえ,いくつか横につながって群生する。条件に恵まれると短期間に水田を埋め尽すほど繁殖する。冬には休眠芽をつくり水底に沈んで越年する。夏から秋にかけて,体の側方にきわめて小さな花をまれにつける。花には微小なへら状の包葉があり,1本のおしべから成る雄花が2個,1本のめしべから成る雌花が1個ある。いずれも花被はない。ウキクサ科は世界に3属十数種あり,鳥などによって運ばれるので分布は広い。

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