イ・スンマン(李承晩)(読み)イ・スンマン(英語表記)Yi Sǔng-man

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イ・スンマン(李承晩)」の意味・わかりやすい解説

イ・スンマン(李承晩)
イ・スンマン
Yi Sǔng-man

[生]高宗12(1875).3.26. 黄海道平山
[没]1965.7.19. ホノルル
韓国の政治家。高宗 31 (1894) 年李朝末期の腐敗政治の改革に失敗,光武2 (98) ~8年服役後アメリカに渡り,プリンストン大学で博士号を取得。日韓併合後の 1911年寺内総督の暗殺陰謀に連座,アメリカに亡命した。以後,外国にあって朝鮮独立運動を展開。 45年 10月帰国,独立促成中央協議会を結成,総裁となった。 46年2月南朝鮮民主議院議長。解放後の南朝鮮において,反共反託 (信託統治反対) ,単政 (南朝鮮単独政府) の路線を推進し,48年5月 10日の選挙に圧勝,同年8月大韓民国独立とともに初代大統領に就任した。その後アメリカ軍撤退に反対,北進統一を唱えた。朝鮮戦争後は,親米,反共,反日の政策をとり,李承晩ラインを設けて同水域から日本漁船を締出した。 60年まで3期連続して独裁的権力をふるったが,4選をねらった 60年3月の選挙に端を発する学生蜂起により政権の座を去り,ハワイに亡命した。 (→四・一九学生革命 )  

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