カドミウムイェロー(英語表記)cadmium yellow

翻訳|cadmium yellow

改訂新版 世界大百科事典 「カドミウムイェロー」の意味・わかりやすい解説

カドミウムイェロー
cadmium yellow

硫化カドミウムCdSと硫化亜鉛ZnSの固溶体,CdS・nZnSを組成とする淡黄色ないし橙黄色無機顔料。硫化亜鉛が少なくなると黄色が濃くなる。着色力大で,耐薬品性,耐熱性,耐溶剤性が優れている。高級絵具,塗料,印刷インキ,合成樹脂・ガラス着色用に広く用いられる。とくに耐熱性の要求されるプラスチックの着色に適している。製法は,硫化カドミウムと硫酸亜鉛の混合水溶液に硫化ナトリウム水溶液を反応させ,得られた沈殿をろ過乾燥後,洗浄,乾燥,粉砕する。硫化ナトリウムのかわりに硫化バリウムを反応させるとリトポンタイプの顔料が得られる。毒性があり毒物及び劇物取締法の〈劇物〉に指定されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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