硫化カドミウム(読み)りゅうかカドミウム(英語表記)cadmium sulfide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

硫化カドミウム
りゅうかカドミウム
cadmium sulfide

化学式 CdS 。天然には硫カドミウム鉱として産出する。鮮黄色ないし橙色の立方晶系あるいは六方晶系結晶。比重 4.82,980℃で昇華する。水に不溶,鉱酸に溶け硫化水素を発生する。光伝導性があり,可視から近赤外域の光に対して非常に大きな光導電効果を示す。この性質を利用して,焼結薄膜あるいは蒸着薄膜が光導電素子に用いられている。その他,蒸着薄膜を用いた薄膜太陽電池は人工衛星用として実用化されている。また,ケイ光体として知られ,黄色の顔料としても用いられる (→II-VI族化合物半導体 ) 。

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうかカドミウム【硫化カドミウム cadmium sulfide】

化学式CdS。黄色結晶。結晶は2形があり,高温形はウルツ鉱型六方晶系,低温形はセン亜鉛鉱型立方晶系である。硫黄蒸気中で700~800℃に加熱すると立方晶が六方晶に変化する。過塩素酸を少量含む過塩素酸カドミウム温水溶液に硫化水素を通ずると立方晶が沈殿する。塩化カドミウム溶液からは不純物を含む六方晶が得られる。六方晶の結晶はa=4.1348Å,c=6.7490Å,Z=2で,Cd―S原子間距離は2.52Åである。

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大辞林 第三版の解説

りゅうかカドミウム【硫化カドミウム】

カドミウム塩水溶液に硫化ナトリウムを加えて得られる黄色の結晶性粉末。化学式 CdS カドミウムイエローと呼ばれ、黄色の顔料として用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

硫化カドミウム
りゅうかかどみうむ
cadmium sulfide

カドミウムの硫化物。天然には硫カドミウム鉱として産する。硫酸カドミウム水溶液に硫化水素を通じて沈殿させるか、酸化カドミウムと硫黄(いおう)の混合物を加熱すると得られる。黄色結晶性粉末。沈殿によってつくられた低温型は閃(せん)亜鉛鉱型構造、結合間隔Cd-S 2.52オングストローム、硫黄気流中で700~800℃に灼熱(しゃくねつ)した高温型は六方晶系のウルツ鉱型構造、結合間隔Cd-S 2.52オングストローム。水にほとんど不溶。熱希硝酸、熱硫酸に可溶、アンモニア水に難溶。黄色顔料としてカドミウムエローの名で広く絵の具に用いられる。そのほかガラス、繊維、紙、ゴム、印刷インキなどの着色料として用いられる。[中原勝儼]

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