家庭医学館 「ケジラミ症」の解説
けじらみしょう【ケジラミ症 Pediculosis Pubis】
ケジラミは体長1~2mm、丸いからだに大きな爪(つめ)のある脚(あし)をもつ昆虫で、おもに陰毛(いんもう)に寄生しています。頭髪に寄生するアタマジラミ、衣服にひそむコロモジラミと同様、人の血を吸って生きています。
ケジラミは性交などで感染しますが、まれに毛布やタオルなどを介して感染することもあります。
外陰部のかゆみがおもな症状ですが、まれに腋毛(えきもう)や頭髪にも寄生し、わきの下や頭皮がかゆくなることもあります。
陰毛を検査して虫体(ちゅうたい)あるいは産みつけられた卵があれば診断がつきます。
[治療]
陰毛の剃毛(ていもう)がいちばん確実で安価な方法です。薬は0.4%フェノトリン(スミスリン® パウダー)を寄生部位に適量散布し、1時間後に洗いおとします。これを3~4日間隔で3~4回くり返せば治ります。
卵の抜け殻は、セメント様物質で毛に固着され、虫の死滅後も毛に残ります。抜け殻を見て治っていないと考えるのはまちがいです。ただし陰毛以外の毛の生えた部位もよく調べ、必要に応じて治療しましょう。また、家族や同居者間のピンポン感染(感染の往復)を防ぐため、全員の寄生の有無を調べ、一斉に治療するようにしましょう。