タラの芽、根(読み)たらのめね

食の医学館 「タラの芽、根」の解説

たらのめね【タラの芽、根】

《栄養と働き》


 わが国原産で、代表的な山菜の1つ。チョウセンニンジン、エゾウコギなどと同じウコギ科です。
 タラの木は落葉低木で、標高1500mくらいの伐採地や丘、林などの日あたりのよい場所に群生しています。枝や茎には鋭いトゲが生えているので、俗に「よめたたき」とも呼ばれています。
 タラの木の若芽であるタラの芽は、冬の寒さのきびしい季節を乗り越えて春に芽をだします。
 採取時期が植物の生長点にあたっているため、栄養価が非常に高いのが特徴で、また、薬効性にもすぐれています。
〈若芽、根ともに薬効の高い山菜の王様〉
○栄養成分としての働き
<タラの芽>
 カリウムを多く含むので、むくみ解消、高血圧予防に役立ちます。
 また、エラトサイドという有効成分を含んでおり、糖の吸収を抑えて血糖値を下げる作用があります。したがって、糖尿病の予防に有効に働きます。
<タラの根>
 芽だけでなく、根皮にも高い薬効性があります。
 サポニンを含み、血糖値を下げる効果があるので、糖尿病の予防によいとされています。

《調理のポイント》


 タラの芽の採取時期は、桜の開花から1週間が目安。摘み取るのは、芽が裂けて若芽をみせたばかりのもの。太くてみずみずしいものが良品で美味です。
 塩を入れた湯でゆで、すばやくゆであげたら、すぐに水にさらしてざるにあげます。
 アクを抜きすぎると香りやほろにがい味わいがなくなってしまうので、水につける時間は短めにするのがポイント。
 ゆでたものはおひたしや和えものにしましょう。ウドキュウリダイコンなどといっしょにすれば、栄養価の高いサラダになります。
 また、生のままてんぷらにするとにがみが気にならず、おいしくいただけます。
 和えものにする場合も、ゴマクルミなどで和えるとにがみがやわらぎ、食べやすくなります。
 煎じる場合は、乾燥させた樹皮5~10gを500ccの水で30分程度、土鍋で煎じます。これを1日3回にわけて飲みます。

出典 小学館食の医学館について 情報