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チョウセンニンジン

食の医学館の解説

チョウセンニンジン

《栄養と働き&調理のポイント》


 中国・朝鮮半島原産のウコギ科オタネニンジンの根。コウライニンジン(高麗人参)とも呼ばれ、古くから万能薬として知られています。
 中国では紀元前から利用され重宝されてきた薬用植物の1つです。産地としては、気候や土壌、水質がニンジンの発育に適している中国・吉林省(きつりんしょう)は長白山(ちょうはくさん)のものが質量ともにすぐれているといわれています。
 わが国で本格的に栽培がはじめられたのは江戸時代からのことで、幕府がその種子を各藩に配ったことからオタネニンジンの名がつけられたといいます。
 万能薬として知られているだけに高価な薬草で、天然のものは、ほとんど絶滅してしまったといわれています。
○栄養成分としての働き
 チョウセンニンジンに含まれるサポニンの一種に、がんの予防・改善効果があることがわかっています。
 ステロールという成分にもがん予防の作用があります。
 さらにステロールは、血液中および肝臓のコレステロール値を下げる働きもあり、脂質異常症の予防にも役立つといえます。
○漢方的な働き
 そのほか、薬効として滋養強壮、鎮痛、胃腸衰弱に効果的です。
○注意すべきこと
 油で炒(いた)めない、ほてり症の人は避けるなど、注意が必要です。

出典|小学館食の医学館について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チョウセンニンジン
ちょうせんにんじん / 朝鮮人参
ginseng
[学]Panax ginseng C. A. Meyer (=P. schinseng Nees)

ウコギ科の多年草。沿海州、朝鮮半島、中国東北部に分布する。かつては山西省まで分布していたが、この地方はすでにとり尽くして絶滅した。植物体の高さは約60センチメートル、茎は毎年1本だけ直立または斜めに生じ、その頂に3~4個の葉を輪生する。葉は葉柄が長く、葉身は5~7個の小葉に分かれた掌状複葉をなす。外側の小葉は小さく、内側の3個の小葉は大きく(長さ4.5~15センチメートル、幅3~5.5センチメートル)、先はとがる。縁(へり)には細鋸歯(さいきょし)があり、表面の葉脈上には剛毛が散生する。夏に茎頂から細い1本の花茎を出し、その先端に14~40個の淡黄緑色の小花を散形花序につける。花弁は5個、雄しべは5個、雌しべは1個で子房下位である。果実は扁球(へんきゅう)形の核果で、径5~9ミリメートル。成熟すると鮮紅色となり、内部に半円形の核を2個もっている。[長沢元夫]

薬用と栽培

根を人参(にんじん)と称し、中国では、紀元前から重要な薬として利用してきた。漢方では、胃の衰弱によって生じた新陳代謝機能の衰え、神経衰弱、糖尿病の口渇などの治療に用いる。日本では民間薬として火傷、出血、粘膜の炎症などに用いられるし、中国では葉、花も捨てずに利用する。野生のものは高貴薬とされ、非常に高価なため、栽培が盛んである。中国では遼寧(りょうねい)省、吉林(きつりん)省、朝鮮半島では京畿道(けいきどう)、黄海北道、錦山(きんざん)、扶余(ふよ)、江華島、豊基、日本では長野県、福島県、島根県などが主生産地となっている。栽培は日本がもっとも早く、1730年代にはすでに成功しており、江戸幕府が種子を各藩に分与する形をとったので、別名オタネニンジン(御種人参)ともよばれた。また、北アメリカで栽培しているアメリカニンジンP. quinquefolium L.の根は広東(カントン)人参と称し、良質のものとされ、チョウセンニンジンと同様に用いる。これは江戸時代の密輸入品としても有名である。
 根の形はダイコンに似て分枝性が強く、主根、支根、細根からなり、微黄白色で、その姿と太さによって商品価値が決まってくる。主根が長く、指の太さほどの支根が2~3本あるのが良質とされる。成分としては、多数のサポニン配糖体、フィトステロールエステル、精油、ビタミンB群などの存在が証明されている。
 なお、中国雲南省そのほかで栽培されているサンシチニンジン(三七人参)P. notoginseng (Burkill) F. H. Chenは田七(でんしち)ともいい、止血、鎮痛、消腫(しょうしゅ)の作用がとくに強く、刀槍(とうそう)の傷に特効のある雲南白薬の主薬として著名である。[長沢元夫]

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