ムジナモ(貉藻)(読み)ムジナモ(英語表記)Aldrovanda vesiculosa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムジナモ(貉藻)」の意味・わかりやすい解説

ムジナモ(貉藻)
ムジナモ
Aldrovanda vesiculosa

モウセンゴケ科の多年草。水中生の食虫植物でインド,オーストラリア,ヨーロッパなど世界各地の温帯から熱帯に分布し,日本では本州の沼や池などの水の清浄なところにまれにみられ,水の表面付近に浮遊している。根を欠き,茎は少数分枝し,節間は短く,節には葉を輪生する。冬には枝先に葉が密に集り,球状になって越冬する。葉柄楔形で,先に数個の剛毛状の突起があり,葉身は袋状で貝のように開閉し水中の小虫を捕える。夏,葉腋から水面上に淡緑色の小花を単生し1日でしぼむ。萼片花弁はともに5枚。種子は細かい長楕円形で光沢がある。日本産のものは 1890年に現東京の江戸川区小岩で牧野富太郎によって発見されたのが最初である。

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