ムロウテンナンショウ(読み)むろうてんなんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムロウテンナンショウ」の意味・わかりやすい解説

ムロウテンナンショウ
むろうてんなんしょう / 室生天南星
[学] Arisaema yamatense (Nakai) Nakai

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の多年草。全体の形はマムシグサに似るが、仏炎包(ぶつえんほう)の内面に細かな乳頭状突起を密生することにより、他種から明らかに区別できる。花序付属体の上方がしだいに細まり、光沢のある円頭に終わるものが狭義のムロウテンナンショウで、近畿地方とその周辺に分布する。名は奈良県宇陀(うだ)市室生に生えるテンナンショウの意味である。

 これに対し、付属体が先端付近でいったん細まったのち、径5ミリメートル以上の膨らみに終わるものは、亜種のスルガテンナンショウとして区別され、中部地方の太平洋側の低山地に分布している。

[邑田 仁 2022年1月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android