モクセイ(木犀)(読み)モクセイ(英語表記)Osmanthus fragrans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モクセイ(木犀)」の意味・わかりやすい解説

モクセイ(木犀)
モクセイ
Osmanthus fragrans

モクセイ科の常緑小高木で,ギンモクセイともいう。中国の原産で古くから観賞用に植えられた。幹は3~4mでよく分枝する。葉は有柄で対生し,楕円形で先はとがり,細かい鋸歯がある。 10月頃に,白色の小さい花を集散状に腋生し,芳香がある。萼は緑色で小さく,4裂する。花弁は径 5mmほどの筒形で深く4裂しやや厚みがある。雌雄異株で,日本にあるものはほとんどが雄株で結実しない。花が橙黄色で葉はやや細く鋸歯の少い変種のキンモクセイ O. fragrans var. aurantiacusは,やはり中国の原産で日本で庭木としてよく植えられ,関東地方などではむしろこのほうが普通である。これらを含めた総称としてモクセイの名が使われることも多い。花から香料をとり,干した花はマツリカ (茉莉花)などと同様にウーロン茶の香りづけ用に,材は堅いので細工物に使われる。

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百科事典マイペディア 「モクセイ(木犀)」の意味・わかりやすい解説

モクセイ(木犀)【モクセイ】

モクセイ科の常緑小高木。中国原産で,日本各地の庭などに植えられる。葉は対生し,楕円形〜広披針形で硬く革質,先はとがり,縁には鋸歯(きょし)がある。雌雄異株。10月ごろ,葉腋に芳香のある花を密に開く。花冠は径約5mmで4裂し,おしべ2本。日本にあるものは雄株でふつう結実しない。だいだい黄色の花を開くキンモクセイと,白色の花の開くギンモクセイがある。後者の方が葉の幅が広い。ギンモクセイとヒイラギとの雑種といわれるものにヒイラギモクセイヒイラギ)がある。

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