マツリカ(読み)まつりか

改訂新版 世界大百科事典 「マツリカ」の意味・わかりやすい解説

マツリカ (茉莉花)
Arabian jasmine
Jasminum sambac (L.) Ait.

アラビアからインドにかけての地域原産の,モクセイ科の常緑小木。木は高さ3mほどでややつる性を帯びて半登攀(はんとうはん)性。葉は広卵形で7cm×3.5cmほど,対生または3枚が輪生する。花は枝の先にまばらに群がり,直径1.8~2.5cmの高坏(たかつき)状白色で佳香がある。熱帯では一年中開花する。午後から夕方にかけて,膨らんだつぼみを花弁を傷つけないように萼ごと摘みとり,うすく広げて乾燥する。乾燥した花を中国や台湾でウーロン茶の添香に用い,またジャスミン油が採取される。茶の添香には,茶の上に生の花を広げて覆い,9~10時間後に除去する方法も行われる。茶をたてると甘い香りがし,茉莉茶,ジャスミンティーと呼ばれる。芳香成分はジャスモンjasmone。フィリピンインドネシア国花。なお,ウーロン茶の添香には,マツリカのほかにキソケイの花も用いられる。
ジャスミン
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マツリカ」の意味・わかりやすい解説

マツリカ
まつりか

ジャスミン

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のマツリカの言及

【ジャスミン】より

…寛永年間(1624‐44)に渡来したといわれている。 マツリカ(茉莉花)(イラスト)はアラビアの原産で,香料植物として古くから有名である。高さ1~3mになる常緑低木。…

※「マツリカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android