三支（読み）さんし

精選版 日本国語大辞典

さん‐し【三支】

〘名〙

① 十二支を四組に分け、東西南北に配当したその一組をいう。北方は亥・子・丑、東方は寅・卯・辰、南方は巳・午・未、西方は申・酉・戌。

※平治（1220頃か）下「卯は是東方三支の中の正方として、仲春をつかさどる」

② 仏語。因明で用いる、宗・因・喩の称。宗は論証の命題で、つまり断案、因はその命題が成立する理由で、その小前提、喩は宗と因の関係を例証によって明らかにする比喩で、その大前提に当たる。

※風土（1935）〈和辻哲郎〉二「だから新因明の三支作法は形式論理学の推理の形式を丁度逆にしたものであり」 〔因明大疏‐第三帖〕

出典　精選版 日本国語大辞典