デジタル大辞泉
「付札」の意味・読み・例文・類語
つけ‐ふだ【付(け)札】
1 目じるしとしてつける札。さげふだ。
2 指令・意見・返答などを記して本紙にはりつける紙札。貼り札。
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つけ‐ふだ【付札】
〘名〙
①
物品に目じるしとしてつける札
(ふだ)。さげふだ。
② 下知(指令)、意見、返答などを記して本紙に貼付した紙。つけがみ。
張札。
付箋。
※
随筆・折たく柴の記(1716頃)下「其時の議草、
老中の人々の付札、共にことごとくうつしをきぬ」
③
江戸時代、下級裁判所から提出された仕置伺
(しおきうかがい)に、上級裁判所が下知を記して貼付した紙。
※御仕置例類集‐古類集・一・明和九年(1772)松平右京太夫殿御口達「箱訴人、宿附有之候はば、立合日に、土屋能登守宅え呼出、御附札之通、
申渡」
④ 取引市場で、景気づけのため、
故意に空の売買をして値段札を掲示すること。〔取引所用語字彙(1917)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
付札 (つけふだ)
江戸時代,公文書に貼付された付箋の一種で指令,意見,返答などを記すのに用いられた。付紙,張札とも称する。付札はとくに下から提出された伺書に対して回答を下す場合に多く見られ,幕府は大名諸家よりの伺書に対して老中の付札をもって回答指示を与えた。この場合,付札は文書奥の上縁部に貼付され,差出人署判や日付を有さず,ただ回答文言のみが記された。伺書に許可が与えられたときには〈可為勝手次第候〉とのみ記された。
執筆者:笠谷 和比古
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の付札の言及
【木簡】より
…文書様木簡は短冊形が多い。(2)付札 これには単なる物品の付札もあるが,重要で中心になるものは調庸をはじめとする租税物資の付札である。貢進物付札には国郡主戸主姓名(戸口姓名)のほか税目(調,庸,中男作物,贄,雑役,白米,交易物,年料物など),品目(海藻類,魚介類,塩,鍬,鉄,銭,綿,米など),数量,年月日(年月が多い)が記入されており,まれに専当国郡司の名前が書きこまれることがある。…
※「付札」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」