会計専門職大学院(読み)カイケイセンモンショクダイガクイン(英語表記)accounting (graduate) school

デジタル大辞泉 「会計専門職大学院」の意味・読み・例文・類語

かいけい‐せんもんしょくだいがくいん〔クワイケイセンモンシヨクダイガクヰン〕【会計専門職大学院】

会計大学院

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知恵蔵 「会計専門職大学院」の解説

会計専門職大学院

公認会計士税理士といった会計専門職育成を目的とする大学院。2003年5月に大きく改正された公認会計士法では、06年以降に実施される公認会計士試験から、新しい試験制度へ移行することとなった。すなわち、従来は一次試験、二次試験及び三次試験という3段階5回の試験からなっていた試験制度を1段階・2回の、短答式・論文式の試験のみからなる制度に改め、従来の二次試験にほぼ該当するものだけとなった。そして、「商学に属する科目その他内閣府令で定めるものに関する研究により学校教育法第68条の2第1項に規定する文部科学大臣の定める学位で内閣府令で定めるものを授与された者(改正法第9条2項2号)」、いわゆる「会計専門職大学院」の修了者(会計修士)は、短答式試験(公認会計士試験)における企業法以外の財務会計論、管理会計論、監査論の3科目を免除されることになった。ただし、その修了には財務会計に関する科目を6単位以上、管理会計に関する科目、監査論に関する科目を各10単位以上、計28単位以上履修することを条件としている。これにより、従来のように資格取得のために学生生活を犠牲にするような受験勉強を避け、時間をかけて高資質の専門会計人を育てることになる。とはいっても、会計専門職大学院を修了しても論文式試験は免除されないこと、さらに、その論文式試験に合格できる人材を養成することが要請されるならば、前述の諸科目の単位を安易に与えることはできない、など、会計専門職大学院は運営する側にとっても、たやすいとは言えないものとなっている。

(小山明宏 学習院大学教授 / 2008年)

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